コラム: 「黙想のすすめ — 稽古前の5分間が心を整える」
📰 出典: ニュースレター2023年2月度
先日全体向けにメッセージを送りましたが、稽古前に5分間の黙想をすることにしました。その背景や狙いを今回はお伝えします。
何故黙想をするのか?
合気道の稽古の前は多くの道場で正座をして静かに始まるのを待ちます。これを黙想(もくそう)といいます。精神を整え、気持ちを切り替え、合気道に集中する大切な時間です。
黙想は子供にとっては、集中力を養う良い訓練となります。元気な子供ほど黙想の「動かない時間は辛いようで、初心者のうちは誰一人うまくできません。しかしながら1年も経つと、始まる前は散々騒いでいるのに黙想が始まると「ピタッ」と静かにすることができます。
個人的には、子供たちが合気道がうまくなるよりも、この切替えができるようになることの方が実は成長を感じる瞬間だったりします。
そして、大人にとっての黙想は、日々の喧騒を忘れてリフレッシュ効果を最大化し、自分の心や態度をコントロールする訓練となります。
塩田剛三先生は、合気道の基本は「素直な心」であると著作で語っています。全ての雑念を取り払って無心で稽古に取り組むことは、禅における座禅のように難しい、と。
大人は黙想中(当たり前ですが)静かにできるのですが、恐らく心の中は子供よりもごっちゃごっちゃです。全然素直じゃない。
素直じゃないと何がだめなのか。それは力んでしまうから、というのが私の考えです。
相手に片手を持たれたとき、面を打たれたとき、誰であっても無意識に緊張します。その緊張に気づかないと力んでしまいます。力みを感じた相手はどうなると思いますか?負けないようにめちゃ力みます。お互いに力んだ関係になり、技がギクシャクして不用意に痛かったり怪我に繋がります。
自分の心の状態に気づく力を「メタ認知力」といい、黙想で底上げできます。
黙想はどうすればいいの?
では黙想はどのように行えばいいのでしょうか?一つの方法は、
- 呼吸のみに意識を向け
- 何か考えが浮かんでしまったらそっと手放し
- 再度呼吸に意識を向ける
という方法です。座禅の数息観(心のなかで数を数える)もいいでしょう。いずれも簡単だけど難しいものです。
これらが難しかったら、一呼吸だけでもOK。人生の最期の呼吸かのようにするといいそうです。それができなかったら夕飯のことを真剣に考えましょう。
まとめ
稽古前の5分間の黙想で、気持ちを切り替え自分の心の変化に気づき、思い通りの技が出せるようにメタ認知力を鍛えていきましょう!
